透析法による翻訳
当社標準プロトコールでの1反応(110 ul)よりも大きなスケール(5反応分 550 ul)での混合法で、収量が1.5倍程度に増加する傾向があります。サンプル110 ulでタンパク質収量が小さい場合は、まずサンプルサイズ550 ul程度でお試し頂くのもご検討ください。翻訳試薬の調製はサンプルn倍の場合、Wheat Germ Extract, Amino Acid Mix共にn倍量となります。
透析カップの内側(試料溶液)に翻訳液を入れ、透析外液としてアミノ酸ミックスを用いるという、一般的な透析法をご利用いただけます。通常透析外液は20倍から100倍容量が一般的です。
1サンプル分の透析法による翻訳反応液組成の例を示します。
試料溶液(翻訳液)組成
Reagents | |
Wheat Germ Extract | 10 μℓ |
Amino Acid Mix | 20 μℓ |
mRNA | 80 μℓ |
Total | 110 μℓ |
下記例で使用する透析カップ:
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Slide-A-Lyzer™ Mini透析ツール (試料0.1 mℓ、分子量カットオフ 3.5K)
- 上記組成のうち、まずmRNA溶液を除いたmixtureを調製し、mixtureを室温に戻してからmRNA溶液に加え、泡をたてないように優しくポンピングします。
- 24穴タイタープレート1ウェルにMilliQで4倍希釈したAmino Acid Mixを 2ml入れ、プレートの蓋をします。
- プレートの蓋に透析カップを挟み込みます。
*2 mlのエッペンドルフチューブが透析カップと合致しますので、2 mlのエッペンドルフチューブで透析可能です。 - 調製した試料溶液110 μℓを全量吸い取り、透析カップに泡が入らないようにやさしく注入します。
ピペットの2段階プッシュは泡立ちの原因となるのでお避け下さい。その後、透析カップの蓋を閉じます。この時、試料溶液(反応層)の液面と透析外液(Amino Acid Mix)の液面が同じレベルか、試料溶液の液面が若干低いようにセットしてください。 - 16°Cのインキュベーターへ入れ一晩(10時間以上)反応させます。
- サンプルをポンピングで軽く混ぜてエッペンチューブに回収し、遠心分離(15,000 rpm、10分、4°C)した後、上清を-80℃にて保存します。
また、24穴タイタープレートに9mm程度の穴あけを行い、透析カップを配置することで、写真(右上)のような収まりの良い透析が可能です。下図をご参考ください。(クリックで拡大されます)